一般社団法人
鹿児島ハート倶楽部
かごしまの未来のために。
高血圧ゼロの街 枕崎
市民全員が血圧を測定して血圧コントロールをしたら何が起きるのか?
枕崎市(まくらざき)
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鰹とお茶の街
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人口21,379人(2019年3月現在)
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高齢化率: 36.3%(2017年10月現在)
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鹿児島でも脳卒中と透析導入が非常に多い地域
「高血圧ゼロの街 枕崎」の概要
「高血圧ゼロの街」作りからのエビデンス創生を介した健康街づくり
具体的目的:
(1)全市民の血圧測定を達成するための新規かつ多様なアプローチ法の開発
(2)医療スタッフの高血圧リテラシー向上のための方策の検証
(3)全市民血圧正常化が健康リテラシーを介して市民の健康や自治体機能に与える影響の評価
1) 市民の高血圧リテラシー向上と血圧測定の徹底を目的とした「仕掛け」の開発
A) 全市民血圧測定環境の整備
青年期以降:
公共血圧計による血圧測定(コンビニ・パチンコ店・居酒屋・JA・漁協等・公共施設)
保育期児童:妊婦・育児期の母親への生活指導時に血圧測定
小中高校生:小中高校の健診に血圧測定を取り入れる。
(京都大学薬効分析学川上浩司教授と一般社団法人HCEIとの共同研究)
B) 血圧測定モチベーションを高める「仕掛け」の開発
アドバイス機能付き血圧管理アプリの開発:NPO法人日本高血圧学会と共同で開発
まず隗より始めよ:
市職員は2021年までに血圧測定率・受療率・至適血圧達成率100%の数値目標。
血圧測定モチベーション向上:
自治体によるポイント事業「高齢者元気度アップ」の活用
『血圧測ろう祭り(仮称)』などでも血圧測定
地元名産(鰹・茶・柑橘類)を用いた減塩食品開発:
地元産業が日本高血圧学会の減塩商品リスト掲載・減塩食品アワード金賞を目指す。
高血圧川柳・標語甲子園:枕崎市の高校生も応募して優勝を目指す。
2) 医療スタッフの高血圧リテラシー向上と降圧療法の徹底
A) 既存システムの活用
医師:高血圧マスタークラス講習会を枕崎で開催。
メディカルスタッフ:高血圧・循環器病予防療養指導士のセミナーを枕崎で行う。
B) 降圧療法フローチャート:枕崎降圧療法フローチャートを作成。
C) 降圧療法の見える化:市内医療機関の至適血圧達成率を算出し「見える化」を行う。
3) 『高血圧ゼロの街』づくりが自治体・市民に与える影響の分析
A) 長期フォローを前提としたデータベース構築
すべての血圧データをネクシスとの企業共同でデータベース構築。
B) 枕崎市民・枕崎市に与える影響
18歳以上の市民を対象とした前向き観察研究。
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対象: 18歳以上枕崎市民15000人 ・予定症例数 6000名
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予定試験期間 2019年10月~2022年3月
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曝露・介入の内容: 高血圧であった場合に至適降圧療法を行う
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主要評価項目: 高血圧受療率、医療費、介護保険、脳卒中・心不全・腎不全の発症率
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副次評価項目: アレルギー疾患, 精神疾患発症等、心血管病以外の疾患発症
人口動態・世帯収入・犯罪率・自動車事故率等の自治体機能
C) 有効な生活習慣指導法の開発
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乳幼児~高校生の血圧分析の地域性の詳細分析
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社会環境・生育環境と脳卒中・透析導入との関連性解析
研究組織
研究責任者: 大石 充 鹿児島大学心臓血管・高血圧内科学/心血管病予防分析学 教授
研究事務局: 赤崎雄一 鹿児島大学心臓血管・高血圧内科学 助教
事務局顧問: 池田義之 鹿児島大学心臓血管・高血圧内科学 講師
分担研究者: 川添 晋 鹿児島大学心血管病予防分析学 特任講師
佐々木健 枕崎市立病院 院長
大場一郎 枕崎市立病院 副院長
研究協力者: 川上浩司 京都大学 薬効解析学 教授
前田祝成 枕崎市長
田中義文 枕崎市健康課長
尾辻和彦 枕崎市医師会長
牧角寛郎 鹿児島県医師会常任理事(枕崎市医師会)